口腔外科
親知らずの抜歯
唯一積極的な抜歯です。
現代人は古代人に比べて、栄養が良くなり、歯が大きくなっています。 そのため多くの場合、歯肉に埋まったままであったり、萌出しても横向きであったりして、掃除がしにくいため、炎症による痛みが出たり、成長期にあっては前方の歯を押し出し歯並びを悪くすることがあります。
さらに、その前の第二大臼歯がう蝕(虫歯)や歯周病になってしまうことがあります。
特に女性の場合、妊娠時に痛みが出ると、痛み止めが憚られるので、早目の抜歯をお勧めすることがあります。
必要のない親知らずを残しておくことで様々なリスクが生じますので、そのような場合は抜歯をする必要があります。
親知らずの抜歯はその位置や角度などで難易度は変わりますが、抜歯時間はおおむね10分~30分程度です。
また、あいおい通り歯科クリニックでは、不安の強い患者様に笑気麻酔法という麻酔法を用いて、不安を減らした状態で抜歯を行うことが可能ですし、術前にCTを撮影することでより安全な抜歯が可能です。
ほとんどの症例に対応可能ですが、全身麻酔下での治療が最適と判断した場合や、抜歯手術による神経麻痺のリスクが非常に高いと判断した場合は市民病院や大学病院などへ紹介することもあります。
自家歯牙移植
歯を再利用できる方法
1度歯を失ったところに再度自分の歯を持ってきて噛めたらいいですよね。
自家歯牙移植とは不要な歯(主に親知らず)を抜去し、歯を失った部位に移植します。
うまく適応すれば、根の治療を行い、半年ほど寝かせた後、被せ物治療を行い、もとの歯があった状態とほとんど同じように噛むことが可能です。
ただし、残念ながら自家歯牙移植はすべての患者さんに適応できるわけではありません。ご希望されてからCTなどのX線検査を用いて、3次元的な評価を行った後に、移植困難と判断されることもあります。また、一般的に自家歯牙移植は適応年齢があると考えられており、高齢者や骨粗鬆症、リウマチなどの患者様では治療成績が悪くなりますので自家歯牙移植をお断りする場合があります。
また100%うまくいく治療ではなく、予後も統計的にはインプラントよりは長持ちしない傾向にあります。
ですが歯根膜というインプラントにはない大きなメリットもありますので条件さえ整えばチャレンジする価値ある治療です。
自家歯牙移植は保険適応ですので、ご興味のある患者様は一度ご相談ください。
顎関節症
顎関節症の代表的な症状は、「あごが痛む(顎関節痛)」「口が開かない(開口障害)」「あごを動かすと音がする(顎関節雑音)」の三つで、このうち一つ以上の症状があり、他の疾患がない病態を「顎関節症」といいます。
顎関節は頭の骨(側頭骨)のくぼみ(下顎窩)に下あごの上先端の骨(下顎頭)が入り込む構造で、その間にクッションの役割をする関節円板という軟骨が挟み込まれています。
どんな症状?
関節円板は前後方向のくっつきが緩いため、大きな力が持続的に顎関節に加わると、関節円板にズレ(転位)の生じることがあります。
また、閉口時に関節円板にズレがあっても、最大開口時にはこのズレが戻る場合と、戻らない場合とがあります.戻る場合には開口時と閉口時に「カックン」と関節音がします。また、戻らない場合には、急性期には「口が開けられない」、「口を開けると耳の前が、とても痛い」などの症状がみられます。
どんな治療?
通常は鎮痛薬の規則的な服用で、関節内の炎症を鎮めるとともに、スプリントといわれる、プラスチックの板を歯列全体にかぶせる保存的な治療が
一般的です。
また、家庭での注意として一番大切なことはアゴの関節に負担をかけないことです。
うつぶせ寝、睡眠不足、フランスパン、ビーフジャーキー、タコ、イカなどの硬い食品や大きな食品を避ける。
歯を噛みしめる癖、あごを後ろに引く動きが必要な管楽器の演奏、格闘技やスキューバダイビングなどは控えることが大事です。
最近で嚙みしめるまでもなく、歯を常に接触させる癖(tooth contact habit)があるだけでも問題が起こることがわかっています。
また痛み等の症状は筋肉系の問題から来ており、マッサージや温熱療法なども効果があります。